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スイッチングハブに送られるパケットは一旦、内部のバッファメモリに保持されます。
しかし、送信側の転送量が受信のバンド幅を上回るような場合、パケットはバッファメモリを使い切ってあふれパケットロスが発生します。
ロストパケットは、上位のプロトコル層による再送が必要であり、スイッチングネットワークの大小を問わず深刻な遅延を招きます。
フローコントロール機能 (全二重時 IEEE802.3x / 半二重時 バックプレッシャー) は大容量バッファによりバッファフローの頻度を抑制し、バッファが一杯に なった際でもフローコントロール機能によりロストパケットの発生を 予防する二重の構えにより、高速且つ信頼性の高いネットワークを実現します。
■半二重時のフローコントロール(バックプレッシャー)
  1. 常にバッファメモリを監視
  2. パケットバッファの空きが減少
  3. 送信側のポートに対して架空のコリジョン
    (衝突)信号送出
  4. 送信側はコリジョン(衝突)が発生したと判断し、 送出量を抑制
■ 全二重時のフローコントロール(IEEE802.3x)
  1. 常にバッファメモリとパケット流通量を監視
  2. パケット流通量増大・バッファメモリの空きが
    減少
  3. 送信側のポートに対してPauseパケット送出
  4. 送信側はPauseパケット情報を基に、送出量を
    抑制
テスト

測定したスイッチ:8ポート10M/100Mスイッチングハブ

測定方法:スマートビットにより、下記の様にデータをながす。

ポート1(100M FDX)ー> ポート2(10M FDX)
ポート3(100M FDX)ー> ポート4(10M FDX)
ポート5(100M FDX)ー> ポート6(10M FDX)
ポート7(100M FDX)ー> ポート8(10M FDX)

全二重通信では、スイッチとNICの双方がフローコントロールに対応して、はじめて フローコントロールが動作します。NICの代わりにスマートビットのフローコントロール 機能をON/OFFして、フローコントロール対応と未対応の場合の状況をシミュレーション してみました。

テスト結果
測定結果/フローコントロール(IEEE802.3x)対応の場合
Frame Size Initial Rate(%) 1 to 2 (%) 3 to 4 (%) 5 to 6 (%) 7 to 8 (%) Average
    100M -10M 100M -10M 100M -10M 100M -10M  
64 50.00 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000
128 50.00 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000
256 50.00 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000
512 50.00 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000
1024 50.00 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000
1280 50.00 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000
1518 50.00 0.000 0.000 0.000 0.000 0.000
メモリがオーバーフローしそうになると、フローコントロールにより、 送信を停止させるため、パケットロスなし。
測定結果/フローコントロール未対応の場合
Frame Size Initial Rate(%) 1 to 2 (%) 3 to 4 (%) 5 to 6 (%) 7 to 8 (%) Average
    100M -10M 100M -10M 100M -10M 100M -10M  
64 50.00 79.970 79.993 79.987 79.990 79.985
128 50.00 79.984 79.961 79.974 79.975 79.974
256 50.00 79.976 79.954 79.950 79.924 79.951
512 50.00 79.907 79.906 79.906 79.906 79.906
1024 50.00 79.816 79.816 79.817 79.816 79.816
1280 50.00 79.771 79.771 79.773 79.771 79.771
1518 50.00 79.724 79.724 79.727 79.724 79.725
メモリーがオーバーフローし、パケットがロスし続ける。約79%のパケットがロス。
結論
NICがフローコントロールに対応していない場合、100M-10Mの通信では、約80%のパケットをロスします。それにより、たとえば、TCP/IP では、再送の手続きがおこなわれ、送信するPCのリソースを無駄に使用することになります。
これに対して、フローコントロールに対応していれば、パケットロス が起こらないため、帯域の使用も含め、効率の良いネットワークが構築できることがわかります。
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